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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 ウソツキ 

雑踏の中で互いの姿を視界に捉えたとき、高鳴る胸は奥深くにしまい込み、
今にも駆け出しそうな足はゆっくりゆっくり、だけど震えている。
嬉しくて逸る気持ちを押さえても、向かい合った瞬間、手を取り走り出す。
誰にも目の付かないところへ。
ここよりも静かなところへ。
二人きりになれる場所へ。

 

青年は少女の銀色の髪を撫で、少女は青年の胸元へ頬を寄せる。
会えなかった時間を埋める、至福のとき。
互いに目を合わせ、近づくくちびる。

これがどんなに罪深いことなのか。
二人は知っている。

けれど。

その顔も、髪も、手も、くちびるも、ぬくもりも。
手放したくない。

 

二人の心の中は一緒なのに、口から出る言葉は冷たい。
「貴方を殺すために来ました。」
「そんなこと、できないくせに。」

ウソツキ、と耳元で囁かれ、彼女はくすりと笑う。

「このまま、君と逃げてしまおうか。」
「…貴方にそれができますか?」

ウソツキ、と呟いた声は夜の闇に消えてしまった。
胸元に、こつんと額を寄せる。
背中に回されている青年の手が、強く優しく抱きしめる。
涙が頬を伝い落ちた。

「ウソツキ。」
もう一度、呟いた。

 

fin



あとがき↓

恐ろしく短い上に、またセリスとイシュタルの名前が出てきません。
説明書きがないとわかりにくいだなんて、
これじゃあまるで自己満足の世界じゃあないか!

………あ、元からか。orz



08.03.11

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