忍者ブログ
『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

 海が見せたきみ 

太陽の光を反射させた水面がきらきら輝き、小さな飛沫が舞い上がる。
初めて見る海は、とても広くどこまでも青く澄んでおり、
なびく金色の髪を押さえながら、ルインは吹き抜けてゆく潮風の香りを楽しんでいた。
「あ、セラさん、魚が泳いでます!」
水面下に見えた魚の群れが、黒い影になって泳いでいる。
ルインはそれを指差して目を輝かせているが、隣にいるセラは普段通りの態度だった。
ああ、などと答える素振りもなく、船の手摺に背をもたれている。
それでも、ルインもお構いなしに初めての海を堪能していた。

二人が乗っているのは、エンシャントからリベルダムへ発つ船。
最短で向かおうという、セラの意見で船を利用することになった。
もちろん、初めて船を目にした時も、やはりルインは感嘆の声を漏らしていた。

セラは、ルインの横顔をちらりと見やった。
この少女と出会い、冒険者として行動を共にするようになって、まだ数日。
その数日間で、セラは彼女のことを「大人しい少女」と思っていた。
良く言えば温厚、悪く言えば世間知らずだが、大人びた印象を持っていた。
それは、彼女の出身の影響が大きいのだろう。

『隠れ里・ミイス』のことは、親友でもありルインの実兄でもあるロイから聞いていた。
代々、闇の神器を守り続けてきた一族に生まれた少女は、外界に出たことがほとんどなく、
兄のロイと共に、神器の守護者として育てられてきた。
大人たちに囲まれた中での生活で、自然と身に付き、または教育されてきたのだろう。

そんな少女が、初めて見る海に心を躍らせはしゃいでいる姿に、セラは少々驚いた。

(歳相応の顔をするんだな。)

(というよりはむしろ、小さい子供と対して変わらないな。)

思わず小さく噴き出したセラに、振り返ったルインが小首をかしげた。
「どうかしましたか?セラさん。」
相手と対峙すると、また大人びた態度になる。
そのギャップに、再び噴き出しそうになるのを堪え、なんでもない、とだけ答えた。
「それよりも、お前は海を見るのが初めてなのだな。」
はい、とルインがにっこり笑う。
「ずっと内陸で育ったので、海を見るのは、今日が初めてです。
 本で読んだり人から聞いただけだったんですが、実際見てみると、とても大きいんですね。」

海を見つめるルインの瞳はきらきら輝き、本当に小さい子供のようだ。
セラもまた、彼女の意外な一面を垣間見て、これから先の冒険のことを思い頬を緩ませたのだった。


fin



あとがき↓

な、なんか…セラが別人です…だれだおまえ!(゜Д゜;)
タイトルにある「きみ」なんて、セラ絶対言わない!(お前、かな。)
セラの恋愛話は難しい、書いててそう思いました。新発見です…。



07.11.06

拍手

PR
ダイアリー
更新履歴
雑記(拍手&メルフォRe:)
アンケート
テキスト
FE 聖戦の系譜
FE 覚醒
Zill O'll
FINAL FANTASY 7
お題系
きまぐれジャンル
リンク
リンクページ

素材
●Photo : 戦場に猫
●Material : web*citron
●Template : hanamaru.
●Banner : Sky Ruins
メールフォーム
何かありましたら、どうぞ。お名前は入れなくても届きます。お返事は「雑記」ページにて*
忍者ブログ [PR]