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※注意!※
1、ギャグです。
2、キャラ崩壊が著しいです。
3、上記2つが耐えられない方にはオススメできません。
登りゆく朝日よりも明るい『覚悟』をご用意できた方からどうぞ*
「女の子がお酒を飲んで酔っ払ってる様子はとても色っぽい」
という何気ない話が出たとき、解放軍の男共はそれぞれの想い人を思い描いた。
そんなことを言われてしまっては、意中の女性が気になって仕方がない。
かくして、『解放軍飲み会~今夜は無礼講~』なるものが催された。
**********
「ごほん…やあ!ラクチェ!」
賑やかに始まった宴の席。
ヨハンは、軍入りする前から気になっていたラクチェに声を掛けた。
実は、今回の催し物はヨハンが提案したことで実現した。
普段、ラクチェに話をしようとしても無視されたり逃げられたりはぐらかされたりと
散々な目に会っている彼は、「大勢いる賑やかな雰囲気でなら…」と淡い期待を胸に、
緊張しながらラクチェに話しかけた。
「あら。ヨハンじゃない。飲んでるー?」
ヨハンの脳内では、ミニヨハンが「よっしゃ!」とガッツポーズしたのは言うまでもない。
お酒はもとより、この場の雰囲気にすっかり酔ってとけこんでいるラクチェは、
いつもなら追い払うなりするヨハンのことを快く迎えたのだった。
ヨハンは意気揚々とちゃっかりラクチェの隣に座った。
「ああ、飲んでいるよ。」
じっとラクチェの顔を見る。
口説く前のスタートラインである。
頬を紅潮させ、にこにこと見返してくるラクチェの顔は、あの言葉どおりに可愛らしいと思った。
「ん?なぁに?何か用でもあんのー?」
「…ラクチェ…今日の君はいつにも増して美しい。
君の美しさはまるで神話に出てくる酒の女神のようだ。」
いける!今ならいける!この口説き文句でいける!
と、ヨハンが思ったか否かはわからないが、今の彼は自身が満ち溢れていた。
立ち上がり、椅子に片足を乗せ、片手は天に伸ばし、もう片方の手は胸元へ。
まるで喜劇でもやっているかのようなポーズで、もう止まらない。
「そして!今の君のその潤んだ瞳!まるで海に浮かんだ月…!
ああ、わたしはその月を受け止める海になりたい・・・!」
………ラクチェの反応が無い。
予想ではここで、「ヨハン…素敵!」とか言われて抱きつかれるはずなのだが。
ちらり。ヨハンはポーズそのままで目線だけを隣にいるであろうラクチェに向けた。
しかし―――。
「いっ、いない―――!!!」
キョロキョロ、辺りを見渡す。
大勢の人ごみに紛れたラクチェの姿が見つからない。
「ら、ラクチェー!?どこに行ったんだいーっ!?」
その時、ヨハンの真後ろにハンニバル将軍が静かに歩み寄ってきた。
そして、肩に手を置き耳元でぼそり。
「彼女なら、『本能的に無理』と言ってシャナン殿のところへ行ってしまったよ。」
「シャナン殿のところへ!?ていうか、本能的に!?…………。」
すっかり意気消沈してしまったヨハンは、するすると椅子に座った。
「若いのも大変だのう…。」
ハンニバル将軍は哀愁漂うヨハンの背中を見つめながら去って行った。
**********
別のテーブルには、ラナとファバルが座っていた。
この二人は、以前から軍内でも評判の「可愛らしいカップル」である。
二人が並んだ姿は、誰が見ても和むものだった。
しかし、今夜は様子がおかしい。
「ちょっ、聞いてるの!?ファバル!」
「はい、聞いてます、すいません…。」
明らかに怒ってる風なラナの声に、ファバルはすっかり縮こまっている。
というより、よく見るとファバルは椅子の上に正座していた。
「じゃあさっきの復唱!」
「えっ…。」
ファバルの顔が青褪める。
「ヒィ」と小さな悲鳴を上げる。
目の前にいるラナの真後ろに「ゴゴゴ」という文字が見えるような気がした。
「聞・い・て・な・い・じゃ・な・いィ~~~ッ!!」
ラナは力いっぱいファバルの片耳を引っ張り上げた。
「アァー、ごめんなさいっすいませんっ!取れます!取れます!」
最初は、本当にいつもと同じ和やかでほのぼのな雰囲気だったのに。
あの優しいラナはどこへ…?
酔いがすっかり醒めてしまったファバルは、ちょっぴり涙目である。
軍内でも評判のカップル(主に彼女)の意外な一面に、
今のファバルを助けられる者は誰一人としていなかった。
幼馴染のティルナノグ組みでさえ、「触らぬ神に祟りなし」とでも言うような雰囲気。
そこの一角では、いつまでもラナのお説教とファバルの悲鳴が上がっていた。
**********
アーサーは、先ほどからキョロキョロそわそわと周りを見渡して、妹・ティニーの姿を探していた。
いわゆる“兄馬鹿”な彼は、妹が悪い虫――男共に引っかかっていないか心配でたまらない。
歩いて探し回ることができれば良いのだが―――。
「それでねぇ…聞いてる?ア~サ~。」
「あ、あぁ、聞いてるよ、フィー。」
それができない理由は、フィーに絡まれていたからだった。
同期のアーサーとフィーは、互いに一番仲の良い異性である。
「付き合ってるんじゃない?」と噂されるほど仲の良い二人だが、真意のほどはわからない。
当人たちも互いに相手がどう思っているのか気になるものの――と言ったところだろうか。
今夜だって、二人は一緒の席に着き、果実酒を飲みながら楽しくおしゃべりをしていた…はずだった。
「ちゃんと聞いてるのォ?ま、いっか。それでね、お父様ったらねぇ――。」
「はぁ…。」
「まだあるのよ、お父様ってばねぇ――。」
「そうなんだ…。」
「お父様ってねぇ――。」
酒が進むにつれて、酔っ払ったフィーの口から出てくるのは父への愚痴ばかりだった。
「――――なのよぉ。信じられるぅ?」
「た、大変ですねぇ…。」
思わず敬語になるアーサー。
すでにアーサーの肩にはフィーの腕が回されて、ガッチリ逃げられないようにされていた。
「お父様の馬鹿ァーッ!!ってーのよ、ほらぁ、アーサーも言いなさいよぉ。」
「お、俺も!?」
「…言いなさいよ。」
あんなに呂律の回っていなかったフィーの突然の低い声に、アーサーの肩がびくっと上下した。
「…フィーの親父さんの馬鹿ー…。」
小声、しかも棒読み。
「よぉーし、よく言ったぁー!まだまだ飲むわよォー!」
フィーは高々と果実酒の入った器を掲げた。
ティニー助けて…。
アーサーは心の中で泣いた。
**********
「ティニーちゃん可愛いね~。」
「天使みたいだよ~。」
「好きな人とかいるの~?」
「気になる人とか~。」
「俺、彼氏に立候補しようかな~。」
一部の男共が一塊になってる異様な空間。
その中心にいるのは、数々の讃美と質問に萎縮して小さくなっているティニーの姿だった。
「可愛いなぁ~。」
「は、はぁ…ありがとうございます…。」
明らかに引きつった笑顔で答えるのだが、この男共は空気が読めていない。
「いや~、かわいいね~。」
「ホント、かわいいよ~。」
「俺と付き合おうよ~。」
「いえ、わたしはまだ、そんな…。」
やんわりとお断りの意思を伝えてみるのだが、この男共は空気が読めていない。
「いやいや!俺と付き合おうよ!」
「いや、俺と!」
「俺だって!」
「いや、俺だ!」
気がつけば、ティニーの周りでは「俺がティニーちゃんと付き合う!」という争いが勃発。
「あ、あの…みなさん…。」
わいわいがやがや。
「あの、すみませんが…。」
わいわいがやがややいのやいの。
ティニーを置いてけぼりにして、男共の間では奪い合いが起きている。
…ぷちん。
ドカーン!という大きな音とともに立ち上がる白い煙。
取っ組み合いの争いにまで発展していた男共はぴたりと動きを止めた。
彼らの視線の先にいるのは、真っ二つに割れたテーブルと、
ふるふると肩を震わせ、周りにピリリと電流を走らせているティニーの姿。
ゆっくりゆっくり、赤い瞳を男共に向ける。
その瞳を向けられた男達は、思わずビクリと震え上がった。
「…いい加減にしろ。」
「…………はい。」
低く冷たい声は、とてもティニーのものとは思えなかった。
「どうしたの?大丈夫?」
そこに現れたのがセリス。
ティニーの想い人である。
「あぁっ!セリスさまっ!」
ティニーの明るく弾むような声に、固まっていた男共は我が耳を疑った。
「何ともなかった?ティニー。」
「はいっ、わたしは大丈夫です。」
「……………。」
『怒り』スキルの恐ろしさを改めて知った男共だった。
**********
「アハハハハハハハハハハ!」
先ほどの雰囲気とは打って変わって。
明るい笑い声が響かせているのはリーンだった。
「―――っていう話だったんだって。」
デルムッドに笑い話を聞かされて、リーンの笑い声が絶えない。
一見すると、とても楽しそうな雰囲気なのだが――。
「アハハハハ!アハハハハウフフ!くすくすくす…。」
上機嫌だったデルムッドだが、おかしな様子に少し嫌な予感がしてきた。
「アハハハハハハハハハハハ!」
「………。」
「ウフフフフ!くすくすくす…フフフフフ。」
リーンの笑いが止まらない。
止まる気配が全くない。
「あ、あのさ…リーン…。」
心配したデルムッドが、そーっと彼女に話しかける。
「ぷーっ!『あのさ、リーン』だってデルムッドアハハハハハハハハ!」
「だ、大丈夫・・・?」
「『大丈夫?』だってアハハハハおっかしーアハハハハハハ!」
す、すごい笑い上戸だ…!!!
デルムッドは戦慄を覚えた。
「アハハハハハハハハハハハハハ!」
**********
「みなさん、楽しそうですね。」
「そうだね。」
カオス状態の部屋内で、端っこに座ってほっこりと飲んでいるのが、リーフとナンナだった。
「こんなに楽しいのは久し振りですね。」
「ホントだね。」
「リーフさま、覚えてますか?小さい頃のお話。」
「え、なんだい?」
「ほら、あのお話ですよ…。」
小さい頃から一緒に育ってきた二人は、他の人が入り込めないような雰囲気を作り上げていた。
思い出を共有している二人は、思い出話に花を咲かせている。
「…あぁ、そんなこともあったね。」
「うふふふふ。」
まるでカオス空間に咲いた一輪の花のような二人。
癒しの空間がそこにはあった。
「それにしても、みなさん、楽しそうですね。」
「そうだね。」
「こんなに楽しいのは久し振りですね。」
「ホントだね。」
「リーフさま、覚えてますか?小さいことのお話。」
「え、なんだい?」
「ほら、あのお話ですよ…。」
「…あぁ、そんなこともあったね。」
「うふふふふ。」
「それにしても、みなさん、楽しそうですね。」
「そうだね。」
「こんなに楽しいのは久し振りですね。」
「ホントだね。」
「リーフさま、覚えてますか?小さいことのお話。」
「え、なんだい?」
「ほら、あのお話ですよ…。」
カオス空間とは別に、無限ループという恐ろしい空間が、そこにはあった。
**********
「飲んでるか、シャナン。」
「オイフェか。ああ、充分楽しませてもらってるよ。」
しっとりとした大人の雰囲気――と言えば聞こえが良いが、悪く言えば『親父くさい』雰囲気を
醸し出しているのが、解放軍の保護者たちオイフェ、シャナン、レヴィン、フィンの四人である。
ちなみに、ハンニバル将軍は、コープルが果実酒を一口飲んでぶっ倒れたと聞いて医務室へ行っている。
「レヴィン様も、飲んでらっしゃいますか?」
「フィンこそ。お前は昔から酒が弱かったからなぁ。」
レヴィンの言葉にオイフェとシャナンが笑う。
レヴィン様、と苦笑するフィンも楽しそうだ。
「今夜のこれがどうして行われたのかよくわからんが、良い羽伸ばしになったかもな。」
「そうですね。」
すっかりちょうど良い程度に酔いが回っている四人には、カオス空間は楽しげに見えるらしい。
四人は目を細めて周りを見渡している。
その眼差しは保護者という名にぴったりである。
「シャナンさまぁ~~~!遊びにきちゃったぁ~~~!」
「うわっ。」
シャナン左腕にがばりと抱きついたのは、元気娘・パティだった。
彼女はシャナンに助けられ(?)一緒に軍入りした頃から熱烈アピールをしている。
無邪気な女版ヨハンと言ったところか。
「えへへ~~~。」
胸元にすりすりと頬をすり寄せてくるパティに、シャナンは思わず苦い顔をした。
「お、お前!一体何杯飲んだらこんな酒臭くなるんだ!?」
「えぇ~~~?まだ10杯も飲んでない…かなぁ?」
赤い顔で首を傾げたパティは、誰がどう見ても飲みすぎの域に達していた。
「お前、今日はもう飲むのは止め」
「シャナンさま~~~っ!」
次に右腕に張り付いてきたのはラクチェだった。
彼女は幼い頃からシャナンに懐き、今現在は彼に恋心を抱いていた。
「げっ、ラクチェ。」
「うわっ、パティ。」
恋愛に関してライバル同士という関係にいる二人が、今まさに鉢合わせの形になった。
オイフェ、フィン、レヴィンはそそくさと酒の入った器だけを持ち、安全な場所へ避難する。
「シャナンさまから離れなさいよ。」
「そっちこそ、シャナンさまが困ってらっしゃるでしょう?」
「…………。」
待ってくれ、と避難している三人に目で訴えたが、聞き入れてもらえなかった。
「なによ。」
「なにさ。」
にらみ合いが続く。
シャナンはこめかみの辺りを押さえ、深い溜め息をついた。
キラーン。
「流星剣ーーーーーッ!!!」
「月光剣ーーーーーッ!!!」
同時にスキル発動で、シャナンの取り合い一騎打ちが始まった。
「やめんか二人ともォォォォォ!!!」
「二人を止められるのはシャナン、お前だけだ。」
「がんばれ~~~。」
遠巻きに見ている三人は、止めようと必死のシャナンに声援を送るだけで精一杯だった。
**********
さて。
ある意味聖戦が勃発している場所から離れた三人は、再びまったりほっこりと飲み始めていた。
「まさかオイフェ殿と、こうして酒を飲む日が来るとは思ってもいませんでした。」
「私もそう思いますよ、フィン殿。」
「お前らも歳をとったということだ。」
和やかムードの保護者組み。
彼らは10年以上も前からの付き合いがあるので、こうして酒を酌み交わすことに感慨深いものがあった。
笑い合う彼らの許に、一人の女性の姿が。
「フィン殿…。」
「あ、アルテナ様。どうかなさいましたか?」
現れたのは、アルテナだった。
俯いていた彼女が顔を上げる。
酔って紅潮した頬と微かに潤ませた瞳に、フィンは一瞬どきりとする。
アルテナが生まれた頃から知っているフィンは、立派に成長した彼女の姿が嬉しく思っている。
キュアン様やエスリン様が見たらなんとお喜びになるだろうか、と思うこともしばしば。
しかし。
「………フィン~~~ッ!」
「うわわっ!」
フィンにとって予想外の出来事が起こった。
真正面からアルテナに抱きつかれたのだ。
傍にいたオイフェは呆然とした顔で見つめ、レヴィンは酒を盛大に噴き出していた。
「ちょっ、アルテナ様、しっかりしてくださいっ!」
顔を真っ赤にしながら引き剥がそうとするのだが、アルテナは意外に力があった。
「フィン!わたし、わたしね!思い出したの!」
「なっ、なにをですかっ!?」
「わたし、わたしね…。」
抱きついたまま顔を上げ、じっと潤んだ瞳で見つめてきた。
「小さい頃から、あなたが好きだったのーーーーーッ!!!」
「えええええええええええええええええ!!!」
アルテナ王女の爆弾発言に、フィンはもとよりオイフェもレヴィンも度肝を抜かした。
ヤバイ、それは非常にヤバイ。
何故なら、フィンは既婚者である。二児の子持ちである。
ラケシス王女との間にデルムッドとナンナという子供達がいる。
フィンは滝のように冷や汗をかいていた。
酔いもすっかり醒め切っていた。
「フィン~~~、浮気もほどほどにな~~~。」
「う、浮気なんてしませんよッ!!」
「フィン~~~好き~~~!」
「正気に戻ってくださいよアルテナさまーッ!」
**********
あわやスキャンダル状態の二人にゆっくりと近づく、一人の少女。
ユリアだった。
引き剥がそうと半泣き頑張っていたフィンの動きが止まる。
「あ、ああ、違うんですよ、ユリア様。」
弁解する、が、アルテナ以外の三人がユリアのおかしな雰囲気に気がついた。
ユリアがゆっくりと顔を上げた、そしてにっこり微笑み口元に手を当て―――。
「まぁフィンってば。ラケシス様に言いつけちゃおうかしら☆」
「!?!?!?!?」
ここにいたフィン、オイフェ、レヴィンの三人は絶句した。
「みなさん、久し振りね。」
「そそそその声は…!ディアんぐ」
言いかけたオイフェの口を、レヴィンが慌てて塞いだ。
そして、オイフェを引きずってユリアに近づく。
「…ディアドラ、か?」
レヴィンが小声で囁くと、ユリアはにっこりと笑った。
「お久し振りです、レヴィンさまー☆」
がくーっとレヴィンは肩を落とした。
フィンはアルテナに抱きつかれながら固まっていた。
オイフェは口を塞がれて、んがぐぐ言っていた。
「どうしたんだ、ディアドラ。ユリアの身体を借りて出てくるなんて。」
まあるいテーブルに、オイフェ、レヴィン、フィン(プラス抱きついたまま眠ったアルテナ)と、
ユリア、正しくはユリアの身体を借りたディアドラが席に着いている。
男性人は酔いが醒めてしまっていた。
「だって、楽しそうな雰囲気だったからつい…。」
うふふ、と口元に手をあてて笑う仕草は、ディアドラそっくりである。
「あのなぁ…。」
レヴィンは眉根を寄せて呆れ顔だ。
「ディアドラ様…お会いできて感激です。」
オイフェは男泣きしていた。
「オイフェも久し振りね、元気そうで何よりだわ。」
「はい…。」
むせび泣くオイフェの背中を、ユリアがさする。
「ディ、ディアドラさま…。」
恐る恐る、といった感じでフィンが口を開く。
「なぁに?フィン。大きくなったわねー。」
にこにことユリアはフィンの顔を覗き込む。
「…さ、さっき言ったことは…。」
「ああ、ラケシス様にいいつけてやるー☆ってこと?」
うふふふふ、とユリアが笑う。
「冗談よ、冗談。言おうと思っても言えませんものー。」
「え??????」
「ま、それは置いておいて。みなさま、飲みましょう!」
ご機嫌なディアドラは器を掲げた。
男性人三人は、あまりにもフリーダムは元王妃にどうしたら良いのか分からない。
「ほらほら、ノリが悪いわよ!さあ、かんぱーい☆」
「か、かんぱ~い…。」
**********
「女の子がお酒を飲んで酔っ払ってる様子はとても色っぽい」
果たして、この言葉通りの体験をした男がいたかどうかは定かではないが、
解放軍の夜は、こうして更けていった。
fin