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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 君の香り 

開け放たれた窓からは、小鳥のさえずりと木々のざわめきが聞こえる。
吹き込んできた清かな風が部屋の中を通り過ぎていった。
その風にのって馴染みのある甘い香りが鼻先をかすめた瞬間、サフォークはゆっくりと目を開いた。

視界に入ってきたのは、白いシーツに。
枕元に伸ばされた自分の腕。
かすかに漂うのは、枕からの残り香だろう。
香りの主の姿が見えないのに気が付き、サフォークは上半身を起こした。
「…ザギヴ…?」
上品に設えられた広い部屋を見渡すが、彼女の姿はどこにも見当たらない。

その時、部屋の中に扉を叩く音が響き渡った。
サフォークが返事をする前に扉が開く。
「あら、起きてたのね。おはよう、サフォーク。」
中に入ってきたのは、目当ての人物ザギヴだった。
「…おはよう。」
寝癖のついた金髪を掻きながらのサフォークに、ザギヴは吹き出した。
「相変わらず、早く起きるのは苦手なのね。
 私が起きても、まったく気づいていないんですもの。」
ザギヴはベッド脇に来ると、青年の額に口付けた。
「待って。」
「あっ…。」
離れようとしたザギヴの腕を捕らえ、サフォークは引き寄せた。
体勢を崩したザギヴは、そのまま青年の腕の中へと収まった。
「…どうしたの?」
「…目が覚めたら君の姿がなかったから、少し驚いた。」
くすくすと、胸の中でザギヴが笑う。
「私はあなたの傍から離れないわよ?」
「うん、分かってる。」
でも、とサフォークはザギヴの華奢な身体を抱きしめながら言う。
「朝起きて、いるはずの君がいなくて、君の匂いだけが残ってると、とてもせつなくなるよ。」
「………サフォーク。」
じゃあ、とザギヴはサフォークの顔を見上げた。
普段、部下達の前では決して見せない、サフォークの前でだけする、少女のように可愛らしい表情だ。
「これからは、もっと早く起きることね。」

窓から入り込んできた優しい風が、二人の間をすり抜けて行く。
サフォークの鼻先を、ザギヴの甘い香りがかすめていった。

 

fin



あとがき↓

何故、ザギヴ姉さんで書くとこうもえろ臭くなるのか。
ザギヴ姉さん大好きなんです。

サフォークは、梅之助んちの始まり男主です。



07.09.04

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