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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 ひとり焦がれて 

酒場の夜はとても賑やかだ。
昼間働いている男達が、労働の疲れを癒すためにここに集まる。
傍から見れば、本当に癒されているのかと疑問を持ちたくなるような騒ぎだが、
誰もが酒を飲み笑い、楽しい雰囲気に身を委ねていた。

 騒がしい、だけど、この忙しさが心地良い―――

フェルムはそう思っていた。

明るい日差しが降りそそぐ午後の閑静な酒場は、
考え事をしていると不安で胸が押しつぶされそうになる。
幼馴染の男の子――アシュレイのことを思い浮かべると、
「今日はどこにいるのかな?」
「怪我、していないかな?」
「また、会いに来てくれるかな?」
そんな思いばかりが駆け巡り、憂鬱そうに窓の外、扉を見つめてしまう。
心配そうにマスターが話しかけるが、そのたびにフェルムはいつもの笑顔に戻り、
心配かけたことを詫びてから仕事に戻る。
それを繰り返しているうちに、マスターだってフェルムの気持ちに気づき始める。

「フェルムちゃん。幼馴染のことが気になるんだろう?」
昼間の客も引き始め、夜から飲むにはまだ早い時間帯。
ほんの少しの休息の時間。
カウンターで準備をしているフェルムの隣に、マスターが並んで仕事をし始めた。
「えっ、あ…いえ…。」
フェルムは思わず言いよどむ。
いかにも『図星』といった様子の彼女に、マスターは吹き出した。
「そりゃそうだよなぁ。ずっと一緒にいた幼馴染が、突然冒険者になって出て行ったんだからなぁ。」
「………。」

手を止めたフェルムは、アシュレイの顔を思い浮かべた。
赤い髪に、綺麗な緑色の瞳を持った青年。
小さい頃からいつも、もう一人の幼馴染・アイリーンと一緒に遊んでいた。
フェルム自身が、アシュレイに想いを寄せていると自覚したのはいつだったか。
アシュレイの優しさが気になり出したのは、いつの頃からだったろうか。
それと同時に、アシュレイとアイリーン、二人の間に流れる強固とした何かにも気づき始めた。
簡単にその間に入ることができないような、何かに。

毎日酒場に来てくれるのが嬉しくて、それを待ち焦がれていたのに。
そして、いつか想いを伝えようと思っていたのに。
アシュレイは、アイリーンと共に旅立った。

 諦めなきゃいけないのかしら?でも―――

考えれば考えるほど思いは巡り、不安が募る。

 また会うことができたら、この不安は無くなるのかしら?

手を止めて一点をじっと見つめているフェルムの肩を、マスターが優しく叩いた。
「大丈夫、アイツは元気にやってるだろうよ。そのうちまた帰ってくるだろうさ。」
「…そうですね。」
笑顔で答えたフェルムは、再び仕事に戻った。
心に、会いたくてたまらない幼馴染の姿を思い浮かべながら。

 

fin



あとがき↓

梅之助んちの王城主・アシュレイは、アイリーン&フェルムちゃんと三人で幼馴染です。
それと同時に、年頃の男女が織り成す微妙な三角関係でもあります。
キャッホォォウ!(?)青春いいじゃないかっ

フェルムちゃん好きです。
あのメイド服。女の子らしい可愛い顔グラフィック。
話すと「…なんでもありませんっ」と(たぶん)頬を染める健気な姿…。
何故フェルムちゃんのEDがないんだ・゚・(ノД`)・゚・



07.09.04

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