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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 雨降る夜に 

夜に降る雨は、屋根や窓ガラスを叩く雨音を部屋内に響かせる。
耳障りな音ではあるが、睡眠を妨げるほどのものでもなく、
レヴィンは厚めのシーツを耳まで掛けると眠気に身を任せた。
雨音が次第に遠のいてゆく。

「…レヴィンさま…レヴィンさま。」
「………?」
雨音にかき消されそうなほどか細い声――実際、幾度目かの呼び声でようやく、レヴィンは現実に戻された。
「……どうかしたのか…?」
声の主を知っている。
だから、レヴィンは安心させるかのように優しく声をかけた。
暗闇に慣れた目を、すぐ隣のベッドにいる少女へと向ける。

暗闇の中でのこの少女――ユリアは、本当に儚い印象を与える。
小さな身体は小刻みに震え、大きな枕を抱き、紫色の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
今にも、彼女ごとこの暗闇の中に溶けてしまいそうだ。
「…雨の音がこわいの…。一緒に寝ても、いいですか・・・?」
震えるユリアの言葉に、レヴィンはふと口元を緩めた。
「ああ、おいで。」

 

相変わらず、雨音が部屋内に響いている。
しかし、レヴィンはユリアの小さな寝息にだけ耳を傾けていた。
レヴィンの腕に抱かれたこの少女は、その温もりに安心したのかすぐに眠りについた。
無垢な寝顔を見つめていると、思わず溜め息をつきたくなるくらい心が安らぐ。
血は繋がっていないが、ユリアを見つめるレヴィンの目は父親としてのそれだった。
そういえば、とレヴィンは思い返していた。
妻と共に残してきた娘も、雨の夜はこうして自分のベッドの中に入り込んできたことを。
ユリアと同じくらいの年頃で、性格は全く正反対なのだが、子供というものはみな同じだと思う。

妻は、子供達は元気だろうか―――。
一瞬そう考えたが、レヴィンはその思いをすぐに頭から消した。
代わりに、再び襲ってきた眠気へと身を任せることにした。
聴こえてくる雨音が、次第に遠ざかるのを感じながら。

 

fin



あとがき↓

母性とか父性って好きです。
更にそれが義理とかだとなおベネ。

子世代のレヴィンには、個人的にとても父性を感じます。
ユリアを娘のように思っていてくれてたらベネ。

スランプ脱出を試みて書いた作品なので、やっぱりあまりにもグダグダ・・・。
折を見て加筆したりしてるかもしれないかもかもです。



07.07.18

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