忍者ブログ
『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

 青く染まりゆく 

初夏の夕暮れ。
風に揺れて擦れ合う草木の涼やかな音を聞きながら、静寂に包まれた墓地を歩く。
無機質な墓石たちは紅い夕陽に照らされて、漆黒の影を地に映している。
そのコントラストが、この空間を現実から引き離したように見せて、美しい。
一人になりたくて訪れたこの場所は、まさに願い通りに彼を迎えてくれた。

ある一つの墓石の前で、ネメアは立ち止まる。
刻まれた名前を見つめていると、そこに眠る彼女の姿、表情、声、全てが思い出された。
絶世の美女と謳われた彼女は、自分のせいで、今、ここに眠っている。

ゆっくりと視線を足元へ向けている途中、ネメアの目が止まった。
「……………。」
屈み込んで、そこに在るものに目を凝らす。
影が落とされている冷たい石の上には、名も知らぬ小さな青い花が数本置かれていた。
その中の一輪を摘み上げると、垂れた花びらは微かに揺れた。
―――政庁の誰かが供えていったのだろうか。
しかしその考えはすぐに打ち消された。
青い花はこの辺りでは見かけないが、野に咲いている花であろうことが、
それにあまり詳しくないネメアでも分かった。

誰かが道の途中で、この青い花を見つけ、ここに供えた。
―――いったい誰が?

ネメアは、自分のすぐ目の前で、青い花をくるくる回した。
薄い花びらを揺らしながら、素朴に、しかし可憐に舞う青い花。
目を細めてその様子を眺めていると、思わず笑みがこぼれる。
紅と黒と静寂に包まれているこの墓地に、小さな青い花は、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせていた。

(………まさか………。)
青い花を眺めていたら、ある一人の少女の姿を思い出した。
この花と同じ、青い髪と瞳を持つ少女。
そして、どこかミステリアスな雰囲気を持つ少女。
(………彼女が、この花を?)
その考えは打ち消すことができなかった。

 

『彼女かもしれない』という予想は、予想でしかない。
しかし青い花を見つめているネメアは、緩やかな笑みを浮かべると、その一輪の花を持ったまま立ち上がった。
墓に背を向け、歩き出す。
心の中に、一人の少女の姿を思い描きながら。

 

fin



あとがき↓

ネメア様しか出ていませんが、青髪青眼は梅之助んちの始まり女主・アローカナなんです。

ネメア様とイズの関係が全く分からないのでその辺のネメア様の心情にあんまり触れないように書いちゃいました。
だからこんなにも薄っぺらい!(ガタブル)



07.05.03

拍手

PR
ダイアリー
更新履歴
雑記(拍手&メルフォRe:)
アンケート
テキスト
FE 聖戦の系譜
FE 覚醒
Zill O'll
FINAL FANTASY 7
お題系
きまぐれジャンル
リンク
リンクページ

素材
●Photo : 戦場に猫
●Material : web*citron
●Template : hanamaru.
●Banner : Sky Ruins
メールフォーム
何かありましたら、どうぞ。お名前は入れなくても届きます。お返事は「雑記」ページにて*
忍者ブログ [PR]