忍者ブログ
『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

 シアワセノアリカ 

最愛の夫と出会い、二人の子供に恵まれ、家族ができた。
夫に寄り添い、共に語り合い、子供達の成長を目を細めながら見守る。
記憶を無くした身なれど、ディアドラは今、幸せと呼べる瞬間にいる。
この幸せが永遠に続くようにと祈りながら。

しかし、時々、頭の中を何かが走り抜ける感覚に襲われた。

蒼い髪の男の人が、手を伸ばし、引き寄せる。
蒼い瞳は柔らかな光を宿し、大きな手に優しく包まれる。
そして、耳元で甘く囁かれる、自分の名前。

一瞬のことなのに、どこか懐かしく、そして悲しく、せつなくて。
涙が溢れてくるのは、何故だろう。
貴方は、だれ?

 

今ある幸せに不安と疑問と恐怖と、そして綻びを見つけた。
全てを思い出し、全てを悟ったとき、残された時間はあと僅か―――。

「あなたは世界の希望…。ユリア、あなただけは生きて…。」
泣いて嫌がる最愛の娘にキスをして、涙を堪えた笑顔で送り出す。
小さな手は母を求めて空を切り、光の中へ消えていった。
頬を一筋の涙が零れ落ちる。
「ごめんね…。」

振り返ったとき、そこには最愛の息子がいた。
否、息子“だった”者は小さな手を伸ばす。
それは母を求めているわけではなくて。
「おまえにもう用はない…。」
冷たく不気味な笑みを浮かべながら。

一瞬にして、目の前は闇に覆われた。
纏わりついてくる闇に身を任せ、目を閉じる。
「シグルド様…。」
呟いたのは、最愛の人の名前。

 

目を開けると、そこは一面の光の世界。
名前を呼ぶ声に、振り返る。
その姿を見止めて、微笑む瞳には涙が滲む。
「…シグルド様…!」
両手を広げている、最愛の人の許へ。
駆け出して、その胸の中へ飛び込む。
身体を包みこむ懐かしい感触に、涙はとめどなく流れ落ちる。
優しく頭を撫でる、大きな暖かい手。
耳元で囁かれる懐かしい声。
「おかえり、ディアドラ。」

ここが、帰りつく場所。
永遠の幸せの在り処。

 

fin



あとがき↓

シグルドぱぱとディアドラままには、幸せになって欲しかったすなぁ。
天国で再会した二人は今度こそ幸せになって欲しいすなぁ。
ゲーム中(第十章)は、顔色悪かったけど。



07.04.01

拍手

PR
ダイアリー
更新履歴
雑記(拍手&メルフォRe:)
アンケート
テキスト
FE 聖戦の系譜
FE 覚醒
Zill O'll
FINAL FANTASY 7
お題系
きまぐれジャンル
リンク
リンクページ

素材
●Photo : 戦場に猫
●Material : web*citron
●Template : hanamaru.
●Banner : Sky Ruins
メールフォーム
何かありましたら、どうぞ。お名前は入れなくても届きます。お返事は「雑記」ページにて*
忍者ブログ [PR]