美しいもの

緩やかに流れる銀の髪。

血のように紅い瞳。

その風貌を　「美しい」　と少女は言った。

 

真っ青な空に流れる白い雲。

幾筋の光が差し込む新緑の森。

日の光を反射させながら流れる清流。

漆黒の夜空に幾千にも煌く星。

この世界に在る「美しい」ものたち。

「美しい」世界に生きる、たくさんのいのち。

そのすべてが「美しい」と少女は言った。

 

「この銀色の髪も。」

少女は、青年の髪を撫でる。

「その紅い瞳も。」

少女は、青年の瞳を覗き込む。

「すべてが、とても美しく思います。」

一筋の涙が、青年の白い頬を伝う。

 

「だから、どうか泣かないで。レムオン。」

 

fin

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後書き↓

ジル話が書きたいんだけど、ジル話ってどうも難しい…。
ということで、練習を兼ねてぱぱぱーと書いてみました。
だからこんなに短いんです。
そして、やはりジル話って難しい…。



07.03.14