『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
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とある保護者の青年剣士のある日の冒険
パーティメンバーはルインをリーダーに、セラ、ルルアンタ、エステル。
これに対しセラは頭の痛い思いをすることも多々ある。
まず、ルインのお人好しっぷり。
彼女の実兄である親友もかなりのお人好しだったが、さすが妹、兄のそれに磨きをかけたレベルである。
冒険者として各地を巡り歩いているが、ルインはギルドで人助けになりそうな依頼ばかりを選ぶ。
護衛依頼、モンスター退治依頼、最近は名指しで救出依頼まで来るようになってきた。
名声が上がるのは冒険者として良いことだが、便利屋か何かに間違われていないだろうかとたまに思う。
最初にパーティに入ったルルアンタも、盗賊に捕まっていた彼女をルインが助けたらしい。
ルインは「怪しい男の人たちがいたので声をかけました。」と言っていたが、女でそんな男たちに声をかける勇気が凄い。
結局、ルルアンタは行く宛がないということで一緒に冒険をする仲間となった。
エステルの場合も似たようなものだ。
リベルダムで出会い、何度も顔を合わせているうちに親しくなり、ある時彼女に首飾りを探してきて欲しいと頼まれたらしい。
基本的に街では個人行動なので、その日あったことはしっかりと報告し合うことになっているし、ギルドで受けた依頼も同様。
しかし、突然のルインの報告には驚いた―――というより、呆れたに近かった。
疑問の多いエステルの依頼を、「ルインじゃないとダメ」と言われてすんなりと受けてきたのだから。
リーダーには従う、と言いつつのセラは不満気だったが、ルルアンタの同意で結局竜骨の砂漠へ。
そして見事、依頼を達成し、エステルは仲間となった。
というわけでの四人は今、未開の森にいる。
未開の森のモンスター退治が今回の仕事だったのだが、それなりに名の知れたルインたちにかかればあっさりと達成できた。
問題はそこから。
未開の森は闇の力が強いので普段から人が訪れることはない。
それ故に地図が存在するわけもないのだが、エステルの「もう少し奥に行ってみない?」の一言で探索となった。
セラとしてはさっさと帰って報告してしまいたかったのだが、反対意見は通りにくいことを知っているので従うしかない。
そうしたら今度は、怪しい男たちが現れ、海賊のお頭だという女が現れ―――。
あれよという間に「大イカ退治」の依頼をされてしまった。
「もし、大イカを退治する気になったら、この先の砦に来てちょうだい。待ってるわ。」
走り去る女の背に
「大イカ退治だと…。くだらん。時間の無駄だ。」
とセラは鼻を鳴らした。
しかし。
「でも、セラ。海賊の方々、困ってるみたいですし。」
隣で見上げてくるルインの言葉に、また始まった!とセラは思った。
思っていると、ルルアンタとエステルも続く。
「そうだよぉ。それに退治できたら船に乗せてくれるって!」
「うわぁ、ボク、大イカなんて初めて見るよ!」
「ルルアンタもー!」
「わたしもです。」
早速三人はわいわいきゃっきゃと戯れ始めた。
こうなってしまったら止まらない。
「海賊の砦って興味あるよね。何があるんだろう。」
「おとぎ話みたいですね。」
「ねぇねぇ、海賊の船って普通の船とは違うのかなぁ?」
「海賊!ってくらいだから、カッコイイ船なんじゃないかな。」
「それはぜひ見てみたいですね。」
「大イカってどれくらいなのかなぁ?」
「料理できるのでしょうか?」
「えーっ、食べられるかなー?」
「リベルダムの海鮮料理でイカ焼きとかあったよぉ。」
「じゃあ、焼いてみます?」
「ということで、セラ…。」
「…言わなくていい。」
頭をおさえ、セラは大きなため息とともにがっくりと肩を落とした。
「ありがとうございます。」
「やったね!」
「やー、楽しみ!」
かくして、ルイン一行の大イカ退治が始まることとなった。
fin
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