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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 青い死神 

乾いた大地に黄色い砂埃が舞う。
陰鬱とした曇り空。
まるで、これから始まる事柄に不吉なことが起こる、とでも言いたげな色。
空の色ひとつでも士気に関わる。
それが、実戦経験の浅い若い兵士達の間であれば尚更だ。

ずらりと整列している兵士達の顔を見ながら、カルラは思った。

進軍前のひと時。
カルラは必ず、兵士達全員を並ばせる。
そして、彼ら一人ひとりの顔を眺めて歩くのだ。

後ろに並んでいる者たちは、実戦経験のある兵士達だった。
陽に焼けて浅黒い肌にぎらりとした鋭い目つき。
長い戦いを経て、精悍な顔つきになっている者もいれば、うっすらと頬がこけている者もいる。
どちらも、戦争を知った者たちの顔だ。

そんな彼らの前に並んでいるのは、彼らと対照的な顔ぶれの者たちだった。
真っ直ぐに前を向き凛とした表情でいる者もあれば、青白い顔の者もいる。
以前までは一般市民だった者たちがほとんどなのだから、当然といえば当然だ。

カルラは一人の少年兵士の前で立ち止まった。
きりりとした表情の少年は、びくり、と身体を微かに震わせた。
「怖い?」
話しかける。
声のトーンは明るいものだったし、口元には笑みさえ浮かべている。
普段のカルラは、今この場には全くそぐわない。
少年は起立の姿勢を正した。
「い、いいえ!」
声は上ずっていた。
「そんな緊張せんでもいいよー。」
からからと笑うと、それが逆に刺激になったのか、少年の顔色が青くなった。
握っている拳がかたかたと小さく震えている。
「いいこと教えてあげる。」
顔を近づけ、カルラはいたずらっぽく笑った。
少年は、ただ真っ直ぐに前だけを見つめている。
「恐怖をね、自分のものにすんのよ。」
「………。」
「笑っていればいいのよ。笑って、恐怖とかを味方にすんの。」
恐怖――戦争での恐怖といえば、命を奪い合うこと、すなわち“死”だ。

「死神は、いつも笑ってるもんでしょ?」

『青い死神』と異名を持つこの少女。
少年兵士は、肌が粟立つのを感じた。

 

fin



あとがき↓

カルラに限らずですが、キャラを動かすのって大変ですね。
特に「このキャラが言いそうなセリフ」を考えるのがとても大変。骨が折れますぽきん。



08.11.12

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