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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 リボン 

今日も今日とて、古びた教会の中には花に向かってしゃがみこんでいる少女とその後ろに赤い髪の男。

「おねえちゃん、リボン、と。」
レノのふいの言葉に、振り向いたエアリスは『?』という顔。
彼はなにかにつけても唐突だった。
「リボン。」
もう一度繰り返された言葉で、エアリスは『!』という顔。
髪を結い上げている後ろ頭に手を伸ばし柔らかな感触がしたと思ったら、
はらり、と頬の横を薄桃色のリボンが流れ落ちた。
「緩んでたのね。ありがとう。」
でも、と足元に落ちたリボンを拾い上げながら、エアリスが小さく笑う。
「もう少し、わかりやすく、言ってくれない?」
まあ、こんなことは慣れているけれど。
レノからの返事を気にすることなく、エアリスは結び直そうと手を回した。
「貸して。」
「えっ。」
「それ。」
エアリスの隣にかがんだレノは、彼女の手に持っているリボンを指差した。
静止したエアリスの手の端から漏れている薄桃色のそれが、漂う空気にさらされてゆらゆらと微かに動いている。
本当に、唐突。
「…レノ、できるの?」
首を傾げ、目を丸くしてエアリスが問う。
「一度やってみたかった。」
「答えになってないよ、それ。」
口元をほころばせて笑いながら、エアリスは持っていたリボンをレノへと手渡した。

手のひらに優しく覆いかぶさるような――。
そんな初めての感触に、レノはちょっと目を細めて眺め、そしてエアリスの髪へと手を伸ばした。

ゆっくりと回される手。
その手が髪に少しでも触れるたび、しゅるしゅると柔らかな音が聞こえるたびに、
くすぐったいような恥ずかしいような笑い出してしまいそうな、不思議な気持ち。
でも―――嫌ではない。
レノに背を向けたかたちのエアリスは、心地よさに目を閉じた。

「できたぞ、と。」
「ほんと?」
振り返ったエアリスが後ろに手を伸ばすと、そこにはしっかりと――当たり前だけど――いつもの位置にリボンの感触。
「ありがとう、レノ。」
「どういたしまして、と。」
嬉しそうに微笑んだエアリスの顔が、いつもよりも華やいで見えた。



fin



あとがき↓

こういう何気ない一場面の中に恋愛要素を盛り込んだ小説を書きたいんだけど、
まず「何気ない一場面」を考えるのが難しい…。
誰かいいアイディアを授けてください…



08.10.12

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