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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 ホットミルク 

小さなノックの音がして、ベッドの上で上半身を起こすと同時に長身の男が入ってきた。
「…セラ。」
頬は熱を持っているお陰で赤く染まっている。
ルインは数日前から風邪をこじらせていた。
「…具合はどうだ?」
低い声。
だけど、不機嫌だというわけではないことは、一緒に旅をしてきて分かってきた。
セラはサイドテーブルに持ってきた盆を置き、ベッドわきの椅子に腰掛けた。
大きな手が、ルインの額にあてられる。
ひんやりとした心地良い感触に、ルインは目を閉じた。
「ごめんなさい、こんなことで足を引っ張ってしまって…。」
申し訳なさそうに俯くルインに、セラは額にあてていた手で彼女の髪を荒く撫でた。
「いいから、まだ休んでおけ。」
セラはサイドテーブルに手を伸ばし、盆に載っていた器を取って寄越した。
「…これは?」
両手で包み込むようにして受け取ると、白い湯気と甘い匂いが鼻をくすぐった。
ホットミルク。
セラが淹れてくれたものだろうか。
彼のことだから、聞いても答えてはくれなさそうだったので、ルインは微笑を向けた。
「…ありがとう、セラ。いただきます。」
こくん、とひとくち飲み込むと、優しい温かさが身体全体に広がっていった。
「…美味しい。」

ふとくち、ふたくちと口に運びながら、ルインはふと笑みを漏らした。
「…なんだ。」
「ロイ兄さまのことを、思い出しました。」
ルインのたった一人の実兄。
「小さい頃、わたしが病気で寝込むと、ロイ兄さまは必ずホットミルクを作ってくれたんです。」
セラが兄さまみたい、とルインは笑った。
「病気のときにホットミルクは定番なんでしょうか。」
「さあな。」

姉・シェスターの顔が思い浮かぶ。
そういえば、自分も風邪をひいたとき、姉がこうしてホットミルクを作ってくれた。
嬉しそうに微笑むルインの姿が幼い頃の自分の姿と重なり、セラは目を細めた。

 

fin



あとがき↓

あの無愛想で無表情なセラが姉思いって良いですよね。ゲーム中のはちょっと怖いけど。
ミイス主とロイ、セラとシェスター良いです。兄妹・姉弟って良いな。



08.09.08

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