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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 氷の迷宮 

そのキスは、一方的なものだった。

唇を離したとき、セリスは目の前にいるイシュタルを見て
氷のようだ、と思った。

氷のように冷めたキス。

それは、彼女の心の中に誰かがいるからだ。

先の戦いで、全てを捧げていた主を亡くしたイシュタルは、
それ以来自分の心さえも失くしたかのような有様だった。
感情の色を帯びていない瞳は鋭く冷たく、黒衣を身に纏った白い肌は人形のように、セリスの目には映っていた。

うつろな瞳の少女の頬を、ゆっくりと優しく撫でる。
白い肌は、やはり冷たかった。
「僕が、壊してあげようか。」
その心の氷を。

 

主を亡くし心を失くした自分に、セリスはあまりにも残酷だった。
「憎んでもいい。君が生きて傍にいてくれるのなら。」
主の後を追って自害することも赦されず、憎みながらでも生きてくれと彼は言う。

しかし、イシュタルは憎むことすら疲れてしまった。
いや、最初から憎んでなどいなかった。
あの時一緒に心を失くしてしまったのだから。

「どうにもならない愛のために、これ以上なにをするのですか?」
氷のような瞳から涙が溢れ、白い頬を伝う。
その涙も氷のように冷たく、まるでぬくもり全てを拒んでいるかのようだった。
「目を醒ましてください、セリス王…。」

 

「目を醒ますのは、君だよ。イシュタル。」
セリスは彼女の頬に触れていた手を離した。
触れているのも目の前にいるのも自分でも、彼女の瞳は遠くを見ている。

――その孤独が赦せないんだ
セリスは唇を噛んだ。

「…愛してるよ、イシュタル。」
「………。」
どこにも行けない愛は氷の迷宮を彷徨う。
辿り着かない痛みに耐えながら、再び唇を重ねる。

目を醒ましてよ、いますぐ。

 

fin



あとがき↓

こいつはくせえーッ!ポエム以下の匂いがプンプンするぜーッ!!(スピードワゴンはクールに去るぜ)
なんだかわけわかめだと思います。
ごめんなさい。書いた本人もとんでもねぇことしただぁと思っています。



08.03.16

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