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『 ファイアーエムブレム聖戦の系譜 』と『 Zill O'll 』中心の二次創作テキストBlog
「 ト リ ソ ラ 」は、原作ファンによる非公認の二次創作テキストBlogです。
版権元及び関係者様各位とは、一切関係ありません。
また、版権元に対する権利侵犯・不利益を目的とするものでもありません。

Japanese Version Only
since : 2007.02.05

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 今日くらいは、小さな幸せを 
フィンは渡り廊下を走っていた。
その顔には焦りの色が滲んでいる。
「リーフ様!ナンナ!」
名前を叫ぶ声は虚しく消えていく。
小さな二人の姿を探していた。
 
ちょっと目を離した隙のこと。
執務室にいたフィンの元に一人の兵士が血相を変えて駆け込んできた。
 
王子に何かあったら…と最悪の事態を想像し、フィンは唇を噛んだ。
抜けるような青空と黄色い小さな花が咲き乱れる中庭の情景が、逆に恐怖心を煽る。
 
「フィン。」
「お父さま。」
声がした方を振り返ると、そこには満面の笑みで駆けてくるリーフとナンナの姿があった。
「あぁ…。」
その表情には生気が戻り、フィンは脱力したかのように膝をついた。
フィンの心境を知らない二人は、そのまま彼の胸元へと飛び込んだ。
言葉なく二人を抱きしめるフィンと無邪気に笑う子供たち。
「フィン、あのねあのね。」
「お父さま。」
弾んだ声が両側から響く。
しかし、父親の気持ちでいたフィンはそれを切り替える。
「リーフさ…!」
眉尻をつり上げて叱ろうとした顔の目の前に突然鮮やかな色が映る。
現れたのは赤、白、黄色の小さな花たちだった。
勢いが萎み目を瞬かせているフィンの両側から声が続く。
「フィン、お誕生日おめでとう!」
「お父さま、おめでとうございます!」
「………。」
フィンの呆気にとられている様子がおかしいのか、リーフとナンナはくすくすと笑っている。
 
そうだ、今日は―――。
フィンの誕生日だった。
リーフとナンナはプレゼントを調達するために城を抜け出したらしい。
護衛もなしに、というのはあまりにも危険な行為だったが。
「…ありがとうございます。ナンナも、ありがとう。」
二人から小さな花束を受け取ったフィンは、もう一度抱きしめた。
きゃっきゃと嬉しそうに笑う二人も頬をすり寄せてくる。
 
お説教は、また明日。
せめて今日くらいは、この小さな幸せをかみしめて。



fin 


あとがき↓

お題「主従恋愛」にそぐわなかったため、また、削除してしまうのももったいないのでちょこっと加えつつこちらにお引越ししてきました。
りでゅーすりゆーすりさいくるっ(?)



11.06.29

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